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携帯 買取に対する疑問にお答えします
運用会社のコーポレート・ガバナンス問題に対する姿勢を明示させることで、投資信託を保有する個人投資家など最終的な資金の出し手に、投資にあたっての一つの判断材料を提供しようという趣旨である。
しかし、運用会社側からみれば、議決権を行使するのみならず、結果の開示まで求められ、書類作成のコストなどが増大することは間違いない。
また、機関投資家の議決権行使をIT化する上では、もう一つの大きな障害がある。
それは、年金基金が投資一任契約に基づいて投資顧問会社に運用を委託している場合のように、名義上の株主(実質株主名簿上の株主も含め)が議決権行使を指図する者ではないケースへの対応が不十分だという問題である。
こうした場合、株主名簿に登場するのは、いわゆるマスタートラスト業務を行う信託銀行などのカストディアンだが、商法上、発行会社が株主として対応することを求められるのは、株主名簿上の株主だけであり、議決権行使のシステムは運用会社にはつながっていないのである。
金融庁は、二○○二年八月に公表した「証券市場の改革促進プログラム」の中で、取引所等に対して投資家の議決権行使に関する環境整備を促すとし、株主総会招集通知の早期発送やITの活用などを取引所や上場会社に求めた。
これを受けて、東証が運用会社への接続を前提としたシステム整備へ上場企業が、企業価値を重視する経営姿勢をとり、証券市場の積極的な活用を図ったとしても、そのことが投資家に的確に伝わらなければ意味がない。
それだけに、ディスクロージャー、すなわち企業情報の開示に対する取り組みが重要になる。
ここで言うディスクロージャーには、法令によって義務づけられる法定開示だけでなく、証券取引所が要求する適時開示(タイムリー・ディスクロージャー)、更には投資家向けの広報、いわゆるIR(インベスター・リレーションズ)活動も含まれ応えていくかを改めて問われている。
その限りにおいて、株主アクティビズムの意義は、積極的に評価することができよう。
しかし、ガバナンスの充実という大義名分を掲げて企業や運用会社に対して負担を強いるだけでは問題は解決しない。
機関投資家によるガバナンス行動に要したコストは、結局、支払い手数料の増加や運用リターンの低下という形で、個人投資家や年金加入者が負担することになる。
それらを補って余りある効果が示されない限り、手放しで賞賛することは難しいだろう。
ガバナンスの強化は結構だが、コストとベネフィットのバランスを見失ってはならない。
証券市場においてディスクロージャーが必要とされるのは、企業など証券発行者と投資家との間に、持っている情報の偏り(情報の非対称性)があるからだ。
そのまま放っておけば、投資家は投資判断に必要な情報を得られず、不利な立場に置かれる。
また、仮に、企業が関係の深い一部の投資家だけに特別に情報を提供すれば、投資家間の不公平も生まれる。
そこで、法令に基づいて一定の情報を強制的に開示させるディスクロージャー(情報開示)制度が生まれた。
開示された情報が正確なものであるかどうかも、市場監督当局の監視の下に置かれる。
ディスクロージャー制度は、現代の証券市場制度の根幹をなしている。
ディスクロージャー制度は、企業にとっては面倒な規制である半面、資金調達の自由度を高める役割も果たしていることを見逃してはならない。
ディスクロージャー制度が確立される以前は、米国の各州で制定されたブルー・スカイ・ロ−(青空法)のように、個別の証券発行の妥当性を当局が審査し、許可するという仕組みがとられがちだった。
これに対して、ディスクロージャー制度の下では、正しい情報を開示さえすれば、誰でも自由に証券を発行・流通させることができる。
ちなみに、ブルー・スカイ・ロ−という呼び名は、「青空に浮かぶ土地を売る」というような途方もない詐欺行為を取り締まるために制定されたことに由来する。
ディスクロージャー制度は、一九三○年代の米国で確立された。
以来、七○年余り、ディスクロージャーの基本精神は堅持され、世界各国で制度化されている。
もっとも、開示を要求される情報の内容など、規制上の力点は、時代と共に変化してきた。
第一の変化は「発行開示重視」から、流通市場における「継続開示重視」への転換である。
もともとディスクロージャー制度の目的は、詐欺的な証券発行によって投資家が被害を受けることを防止するということに重点を置いていた。
もちろん、実態のない事業計画を示しながら証券を発行して資金を集めるといった古典的な証券詐欺は、現在も後を絶たない。
しかし、株式や債券の流通市場が発達するにつれ、そうした古典的な詐欺防止に加えて、流通市場における価格形成に果たすディスクロージャーの役割が重視されるようになってきた。
更に、一九八○年代に入って、「統合開示制度」や「発行登録制度」が導入され、上場企業など継続開示を行っている発行者は、新たに証券を発行する際、改めて情報開示を求められるケースが少なくなった。
同じような情報を開示しても、コストがかさむだけという考え方からだ。
第二の変化は、確定した過去の事実だけでなく、事業計画や利益予想など、将来志向の情報についても開示を促すという姿勢が強まったことだ。
「将来の事象は投資家に誤解を生ぜしめる」として、かつては開示を全面的に禁じる考え方もあった。
しかし、株価に代表される証券の価格は、将来の企業業績や財務状態への評価を反映している。
そこで、最近では、将来志向の情報開示を促進する政策がとられるようになっている。
このため、開示した業績予想や事業計画が結果的にその通りにならなかったとしても、発行者は法的な責任を問われないような制度が整備される方向にある。
二○○二年一二月、金融審議会の報告書が公表された(金融審議会第一部会報告「証券市場の改革促進」の「ディスクロージャー・ワーキング・グループ」報告)。
この報告書でも、リスク情報や経営者による財務・経営成績の分析(MD&A)の開示強化など、将来志向の情報開示を促そうとする傾向がみられる。
第三の変化は、発行開示、継続開示に加えて「適時開示」を重視する考え方が強まったことだ。
適時開示とは、証券価格に影響を及ぼすような事象が生じた際にタイムリーに情報を開示することを指す。
監督当局に提出される臨時報告書も重要だが、証券取引所など市場の要請に基づく情報開示とし資本市場は効率的で、あらゆる公開情報が株価に完全に反映されるとする効率的市場仮説をはじめとする資本市場理論が妥当するのであれば、情報は公開されるとすぐに証券価格に反映される。
そうであるならば、決算から一カ月以上も経って開示される有価証券報告書といった継続開示書類の意義は小さく、迅速な適時開示こそ望ましいということになる。
現在のディスクロージャー制度は、七○年の歴史の中で、有効性を検証され、かなり洗練され確立された体系となっている。
とはいえ、ディスクロージャー制度をより良いものとしていくための努力に終わりはない。
市場環境の変化や金融理論の進歩とともに、新たな論点も生まれてこよう。
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